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注文住宅の地盤調査費用と地盤改良の相場はいくら?

注文住宅の地盤調査費用と地盤改良の相場はいくら?

注文住宅を建てるにあたり、土地の安全性を確保するための地盤調査は、建物の耐久性や居住者の安全に直結する極めて重要なプロセスです。
この調査や、調査結果によっては必要となる地盤改良工事には、ある程度の費用が発生します。
家づくりの計画を具体的に進めるためには、これらの費用について事前に把握し、全体的な予算に組み込んでおくことが不可欠となります。
どのような調査方法があり、それぞれどのくらいの費用がかかるのか、そして地盤改良が必要となった場合にどのような工法が選択され、どれほどの費用が見込まれるのかを理解することは、予期せぬ出費に慌てることなく、安心して理想の住まいを実現するための第一歩となるでしょう。

注文住宅の地盤調査にかかる費用

注文住宅の建築では、地盤の強度や安定性を評価するために地盤調査が実施されます。
この調査は、建物の不同沈下を防ぎ、長期的な安全性を確保するために不可欠であり、その調査方法によって費用は大きく異なります。
一般的に用いられる調査方法として、「スウェーデン式サウンディング試験」と「ボーリング調査」があり、それぞれの特徴と費用相場を理解しておくことが重要です。

スウェーデン式サウンディング試験の費用相場

スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)は、ロッド(鉄棒)の貫入抵抗や回転抵抗を測定し、地盤の強度を推定する簡易的な調査方法です。
住宅建築の分野では最も一般的に採用されており、比較的短時間で実施できるため、費用も抑えやすいという特徴があります。
この試験では、一般的に住宅1棟あたり、敷地内の数カ所(2~5カ所程度)で深度10メートル前後まで調査が行われ、その費用相場は、地域、調査深度、敷地の状況などによって変動しますが、おおよそ5万円から15万円程度が目安となります。
簡易ながらも多くのケースで地盤の状況を把握するのに十分な情報を提供するため、多くのハウスメーカーや工務店で標準的に採用されています。

ボーリング調査の費用相場

ボーリング調査は、掘削機を用いて地盤に穴を掘り進め、採取した土のサンプルの分析や、地層の状況を詳細に調べることで、より精度の高い地盤の評価を行う調査方法です。
スウェーデン式サウンディング試験では把握しきれない、地盤の深部や複雑な地層構造、地下水の影響などを詳細に知りたい場合に用いられます。
この調査は、専門的な機器と技術を要するため、スウェーデン式サウンディング試験と比較して費用が高額になります。
一般的に、住宅1棟あたりで実施する場合、15万円から30万円以上、場合によってはそれ以上の費用がかかることもあります。
広範囲にわたる土地や、過去に埋立地であった、あるいは特殊な地盤であることが疑われるようなケースでは、より確実な判断のためにボーリング調査が選択されることがあります。

地盤改良が必要な場合の費用相場は?

地盤調査の結果、建物を建てるには地盤が弱い、あるいは不同沈下を起こすリスクが高いと判断された場合、建築前に地盤改良工事が必要となります。
地盤改良にはいくつかの工法があり、地盤の状況や改良する深さ、範囲によって最適な工法が選択され、それに伴う費用も大きく異なります。
ここでは、代表的な地盤改良工法とその費用相場について解説します。

表層改良の費用相場

表層改良工法は、地盤の表層部(一般的に深さ2メートル程度まで)の強度を向上させるための比較的簡易な改良工法です。
改良したい範囲の土を掘削し、セメント系の固化材と混ぜ合わせ、再度埋め戻して締め固める、あるいは掘削した穴に固化材と水セメントを流し込んで固める方法がとられます。
この工法は、軟弱層が比較的新しい地盤で、かつ浅い範囲に限られている場合に適しています。
表層改良にかかる費用は、改良する面積や深さ、使用する固化材の量によって変動しますが、住宅1棟あたりで一般的に100万円から150万円程度が相場とされています。

柱状改良の費用相場

柱状改良工法は、地盤の比較的浅い層から中層部(深さ2メートルから8メートル程度)にかけて、セメント系の固化材と土を混合して、地中に柱状の改良体を築造していく工法です。
特殊なドリルで削孔しながら固化材と水を注入し、地盤と混合させて柱を形成します。
この工法は、表層改良では対応できない、やや深い範囲の軟弱地盤に対して有効です。
改良する柱の本数や深さによって費用は大きく変動しますが、住宅1棟あたりで、一般的に150万円から200万円以上が相場として考えられます。
広範囲にわたって一定の深さまで改良が必要な場合に多く採用されます。

鋼管杭の費用相場

鋼管杭工法は、軟弱な地盤が深部に存在する場合に用いられる、より強固な改良工法です。
軟弱層を貫通し、その下にある比較的強固な地盤まで、鋼管(鉄管)を貫入させたり、回転圧入したりして杭として設置します。
これにより、建物の荷重を安定した支持層まで伝えることができます。
この工法は、他の改良工法では対応が難しい、深度の深い軟弱地盤や、広範囲にわたる軟弱地盤に対して有効ですが、その分費用も高額になる傾向があります。
鋼管杭の径や長さ、本数、施工の難易度によって費用は大きく変動しますが、住宅1棟あたりで、一般的に200万円から300万円以上、場合によってはさらに高額になることもあります。

まとめ

注文住宅を建てる際、土地の安全性を確保するための地盤調査および、必要に応じた地盤改良工事にかかる費用は、家づくりの予算計画において非常に重要な要素です。
これらの費用は土地の状況や業者、地域によって変動するため、事前に専門家と十分に相談するなどして、計画段階でしっかりと把握しておくことが、予期せぬ追加費用を防ぎ、安心して家づくりを進めるためには不可欠です。

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